「子どもと粘土で遊ぼうと思って油粘土を出したら、信じられないほど硬い!」
「夏休みの工作用にとっておいた紙粘土が、スポンジみたいに軽くなっていた!」
子どもとの粘土遊びは毎日のことではないため、久しぶりに粘土を使おうとすると、硬くなってしまっていることが……こんな経験、ないでしょうか?
そんな時、できれば粘土を捨てずに柔らかく戻す方法はないかと、ネットで解決策を探し始めますよね。
粘土を柔らかくする方法を調べていたら、レンジを活用する方法が目に留まります。
「え、レンジで粘土を温めるなんて……?」
と、思われるかもしれませんね。
実は、電子レンジでの加熱は多くのメーカーが推奨していない方法です。
この記事では、粘土が硬くなる原因と、各種粘土を適切に柔らかくする手順や保管方法について詳しく解説します。
硬くなった粘土を柔らかく戻すには、電子レンジが使えるの?
時間が経って硬くなってしまった粘土を、電子レンジを使って柔らかくする方法は本当に効果的なのでしょうか?
ここでは、その方法について詳しく説明しますね。
また、粘土が長い期間使用されないと、なぜ硬くなってしまうのか、その理由についても同時に探っていきます。
推奨できないが柔らかくなる可能性はある
「電子レンジで温めれば硬くなった粘土が柔らかくなるらしい……」
という情報をネットで目にすることがありますね。
長く使われずに硬くなった粘土を柔らかくする方法を探している時に、電子レンジを使用するという情報を見つけた方も多いでしょう。
この方法については、「条件が揃えば効果があるかもしれない」というのが結論です。
しかし、おすすめできない理由がいくつかあります。粘土の成分や含まれている水分量により、電子レンジでの加熱が適切かどうかは、すぐには判断できません。
完成した粘土を早く乾燥させようとレンジで加熱した結果、粘土が爆発するケースも報告されています。また、粘土の種類によっては、加熱すると硬くなったり、透明になったりすることも。
油粘土の場合、含まれている油分が加熱されることで柔らかくなりますが、温かい状態で扱うと火傷する危険もあります。
これらのリスクを考慮すると、レンジで温める方法は推奨できません。
粘土が硬化する主な原因
長期間使われずに硬くなる粘土の理由は、主に二つに分けられます。
①水分の蒸発による硬化
この理由が多くの粘土の場合に当てはまります。
粘土を開封した後、使い残りをただ袋に入れてゴムで留めるなどの簡単な保管方法では、水分が徐々に失われます。
封をしていたとしても、気づかないうちに隙間から水分が蒸発してしまうんです。
例えば、コンビニでお弁当を買った際、使わなかったお手拭きを家で保管することがありますよね。しかし、いざ使おうと思った時には、既に乾燥して普通のティッシュのようになっていることが……
同様に、粘土も長期間保管しておくと乾燥して硬くなることがありますが、時間はかかるものの、水分を加えれば再び柔らかくすることは可能です。
温度によって硬化する
この状態は油粘土によく見られるものです。
油粘土はカオリンや、ほかの粘土鉱物に植物油や鉱物油を混ぜ合わせて作られており、油成分は冷えると白く固まる性質があります。
冬など、外の気温が低くなると室内で保管していても油粘土は固くなり、扱いづらくなることがありますが、これは乾燥ではなく、油粘土特有の性質です。
子どもが使う場合、使い始めに十分に柔らかくしておく必要がありますね。
しかし、心配はいりません。油粘土は比較的簡単に元の柔らかさを取り戻せます!
粘土を柔らかくする秘訣は水分補給がカギ!
硬くなった粘土を柔らかく戻すための方法は2つあります。
- 粘土に水分を加える
- 粘土を加熱する
粘土の種類によって最適な方法が異なるため、それぞれの手順を説明しますね。
紙粘土を水で柔らかくする方法
乾燥してスポンジのように軽くなった紙粘土は、触感がスカスカになります。この状態の紙粘土を再び柔らかくするには以下の手順を試してみてください。
紙粘土を、湿らせた不要な布やキッチンペーパーで包んだ後、密閉容器や保存袋に入れてしばらく置く方法があります。
粘土がどの程度乾燥しているかにより、1日から2日で柔らかくなることもありますが、すぐには柔らかくならない場合もあるので、根気よく様子を見ながら、徐々に練り直してみてください。
長く放置された紙粘土は、復活までにより多くの時間が必要です。
しかし、すべての紙粘土が完全に元の状態に戻るわけではなく、粘土の状態によっては、使用を断念することもあります。その場合は、新しい粘土としてではなく、例えば作品の内部の支えとして再利用することも考えましょう。
また、復活させた粘土が布の繊維で汚れてしまったという声もあります。
そのため、毛羽立ちにくい高品質なキッチンペーパーを使用したり、水を少し加えた後にラップで包む方法も効果的です。
ほかの粘土タイプ、例えば樹脂粘土や石粉粘土、小麦粉粘土、米粉粘土にも同様に時間をかけて水分を補給することで柔らかくすることが可能です。
油粘土を柔らかくする方法は水を避けて温める
油粘土はもともと適度な硬さが保たれていて、柔らかすぎると細長い形を保つのが難しくなります。
冷えると特に硬くなるため、最初に粘土ベラで小さく切り分けることから始めます。
油粘土に水を加えないことが重要です。代わりに、湯煎で温めて柔らかくしましょう。
湯煎で柔らかくする方法の注意点として、袋が破れて水が入ると、粘土がべちゃっとしてしまい、その後の練り直しが大変になります。
そのため、油粘土をポリ袋に入れたら、その上でジッパー付きの保存袋にも入れて、湯煎している間に水が入らないように注意しましょう。
この方法により、冬場などに固くなった油粘土も再び柔らかくなります。
また、冬場はホットカーペットの下で温めることでも、柔らかくなるようです。
柔らかくした粘土の適切な保管方法
粘土を一度柔らかく戻すことができたら、次はその柔らかさを保持するための保管方法が重要です。
また、新しい粘土も適切に保管することで、硬化を防ぐことができますよ。
粘土を密閉して保管する
粘土を長持ちさせるための一般的な保管法は、「水分が蒸発しないようにしっかりと密閉する」ことです。
この方法は、冷凍保存する際に肉を包むのと同じです。
柔らかくなった粘土や、新しく開封した後の余った粘土をラップで包んでから、ジッパー付きの保存袋に入れると良いでしょう。
この際、袋から空気を抜くとさらに乾燥を防ぐことができますよ。
また、粘土の量に応じたサイズのタッパーや容器を使用するのも効果的です。保存は日の当たらない涼しい場所で行いましょう。
粘土にカビが生えることも
「粘土にカビが生えるなんて!」と驚くかもしれませんが、すべての粘土にカビが生えるわけではありません。
特に、小麦粘土や米粉粘土は、主成分が食品由来であり、適切に保管しても湿度の影響でカビが発生することがあります。粘土をこねる際に手からの油分や汚れが付着し、これが微生物の栄養源となってしまうことも。
特に、保存料を使用していない手作りの小麦粘土や米粉粘土は、カビが生えやすい状況になります。
粘土を再び柔らかくするために手間をかけるよりも、カビのリスクを避けるために新たに購入するほうが賢明かもしれません。
100円ショップでは簡単に新しい粘土を購入できるので、再利用するよりも新品を使用することをお勧めします。
粘土を柔らかくする方法とその注意点まとめ
硬くなってしまった粘土をレンジで柔らかくする方法と、硬くなってしまう原因について解説しました。
ネット上でレンジを使って柔らかくできたといった情報を目にしますが、メーカーからは推奨されていません。
今回の記事の内容を以下にまとめます。
- レンジを使って粘土を柔らかくすることは、メーカーも推奨していない
- レンジで温めると粘土の種類によっては爆発する恐れがある
- 逆に硬くなることもあるし、柔らかくなったとしても火傷する危険が伴う
- 粘土が硬くなる主な原因は、水分が蒸発することや冷えによる硬化
紙粘土を柔らかくするには、
- 湿らせた布やキッチンペーパーで包む
- 密閉容器に入れて時間をかけて保湿する
油粘土を柔らかくするには、
- 小分けにした後、ポリ袋とジッパー付き袋で二重に密封する
- 湯煎で温める
最後に、粘土を適切に保管するには、
- ラップでしっかりと包んでから保存袋やタッパーに入れる
小麦粘土や米粉粘土のように食品成分が主な粘土は、カビが生えやすく素材のため、長期保存には向いていません。
粘土を柔らかくする方法は案外簡単です。しかし、メーカーが推奨していないので、電子レンジの使用は避けることが望ましいです。
粘土の保管は家にあるものだけでも対応できますので、今後の保管も心配無用です。
子どもが遊びたい時や、新しい作品を作りたい時に備えて、この方法で粘土を事前に保管しておけば、いつでもすぐに使用できる状態になりますよ!